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めざせ日本の最高峰「富士登山」

 高校3年生のときに先生たちの反対も顧みず、土曜日の授業終了後に大阪の寝屋川市を出発し、各駅停車を乗り継いで、台風が吹き荒れる東京まで行き、野宿をした上で、翌朝新宿を出て富士山に登りに行ったことがあります。
 善良な学生でしたから月曜日の1時限目に間に合うように、再び国鉄(現JR)で帰り、しっかりと授業にでました。ただしもっとも大切な登頂という目標は達成できず、いつの日かこのリベンジをしてやる、、と仲間達と約束し合った覚えがあります。確か10年後の今月今夜とか言っていたようで、そんな日はとっくの昔に流れてしまいました。

 2回目の富士登山は、体力気力ともに充実していた20歳のとき。朝6時に吉田口五合目の駐車上で湯を沸かし、ラーメンを食べてから出発。9時頃には登頂し、お鉢巡りをして、昼前には五合目の駐車場まで下山していました。今から思えば、なんちゅう体力。 \^o^/

 さらに3度目の富士登山は、大学4年生のときで、研究室からのゼミ旅行が富士山でした。早朝にキャンパス(大阪)に集合し東名高速道路をぶっとばし、昼に富士山麓に到着。夕食後仮眠となりましたが、若い連中が昼間っから十分に寝られるはずもなく、そのまま深夜に登頂を開始。とはいっても富士山がそんなに簡単に登れる山であるはずはなく、大学生でありながら、睡眠不足と疲労がずっしりとのしかかり、幾人かが脱落。登頂に成功したメンバー(私含む)も這々の体でした。

 さて、今回は4度目となるわけですが、これまでとメンバーが大きく変わり、小学2年生男子、小学4年生女子、中学1年生男子、20歳+α ※αは2桁 (^_^; の家内と私の5名。成功を目指してがんばるゾーッ!!


1.まずはお約束事から。。。

 項番  お約束
1. 自然に感謝し、ゴミは持ち帰りましょう
2. 有料トイレは設備維持料を支払いましょう
3. ルート以外をショートカットするような直登等は禁止されています
4. 無理は禁物です。ちょっとでも身の危険を感じたら山小屋に避難したり、引き返す勇気を持ちましょう
5. 備えあれば憂いなし。きちんと計画をたてて登山に挑みましょう

2.準備編 (河口湖口(途中から富士吉田口と合流)登山道編)
 夏場の日の出は北東からあります。その点吉田口登山道は、頂上まで行かなくても、山小屋からでも御来光を拝むことができますし、体力のない人にもお馬さんに乗るという手段も使えます。また、表口登山道とも呼ばれる富士宮口は頂上付近で登りと下りのルートが同じになるため、混雑時には時間を要する場合があるといったことなどを勘案し、今回は富士吉田口と合流する河口湖口から登ることにしました。

登頂ルートを見つめて、
富士登山をイメージ化
しましょう。

右端に見える太線が
富士スバルラインからの
登山口(五合目)です。

ここを起点にして、登る
わけですな。

プロアトラスW3を使ってジオラマ化した富士吉田口登山道

 

3.持ち物リスト

項番

アイテム

説明

所在

装着

パック

1

ウェア

雨具

新規購入(ゴアテックスが欲しかったけど、
お安いエントラント)

 

2

防寒着

フリース等真冬の装備 下界と20度の温度差あり(気象庁のページで確認できます

 

3

長袖シャツ

 

4

帽子

 

5

パンツ

 

6

Tシャツ

 

7

厚手の靴下

豆をつくらないためにも厚手を用意

 

8

軍手

岩場と寒さよけ

 

9

濡れたときの替Tシャツ

雨に濡れたときの替え

 

10

濡れたときの替パンツ

雨に濡れたときの替え

 

11

ギヤ

バックパック

ショルダーベルトのしっかりとしたもの

 

12

登山靴

新規購入 足首をしっかりとサポート

 

13

スパッツ

新規購入 下山時の砂利対策

 

14

ストック
(トレッキングポール)

新規購入 3本+百円ショップの杖2本

 

15

酸素ボンベ 1本以上

新規購入 頭痛時に重宝

 

16

食べる酸素

新規購入 あまり必要性感じず

 

17

地図

現状を知るには必要

 

18

緊急連絡用ホイッスル

新規購入 大声で叫ぶよりまずはホイッスル

 

19

コンパス

景色を見るときの参考程度

 

20

小物

タオル

 

21

水筒

ペットボトルの麦茶とポカリスエット
(大人500cc×2本、子供500cc×1本以上)

 

22

ロールペーパー

芯を抜いたトイレットペーパー

 

23

行動食

ゼリーENG、、ソーセージ、チーズ、チョコ、
あめ、おせんべい、カロリーメイト、梅干、
2日目の朝食 おにぎり

 

24

ゴミ袋

 

25

懐中電灯

夜の登山やトイレ用に必要

 

26

日焼け止め

 

27

ファーストエイドキット

筋肉痛(アンメルツ)
テーピング用テープ、センパア

 

28

耳栓

賑やかな山小屋で寝るなら必要

 

29

目かくし

明るいときに寝ようとするなら必須

 

30

携帯カイロ

あると便利

 

31

携帯電話

 

32

デジカメ、ビデオ

 

33

予備電池

 

34

予備メモリ、テープ

 

35

現金

山小屋(1泊夕食 \6,300×5名)
トイレ 100×回数×人数(山頂は200円)

36

保険証

 

37

下山時用に花粉マスク

高山病を発症している方は着用を控えましょう

 

 

4.実績タイム(登山時のタイムは最後尾が到着した時刻)
第一日目 第二日目
時間 大項目 中項目 時間 大項目 中項目
0:00 就寝   0:00 就寝  
0:30   0:30  
1:00   1:00  
1:30   1:30  
2:00   2:00  
2:30   2:30  
3:00   3:00  
3:30   3:30  
4:00   4:00  
4:30   4:30 4:46ご来光をみる
5:00   5:00 ふたたび布団の中へ
5:30   5:30  
6:00   6:00 起床 朝食(持参のおにぎり)
トイレ(1回100円)
6:30   6:30    
7:00 起床 朝食、トイレ 7:05 出発(富士一館 七合目やや上 2,800m
7:30   7:33 通過(東洋館 3,000m
8:00 千葉の自宅出発 東関東自動車道 8:03 休憩(太子館 八合目 3,020m
8:30 首都高速 8:15 休憩(蓬莱館) 3,150m
9:00 (渋滞) 9:01 休憩(白雲荘 3,200m
9:30 東名高速  9:30    
10:00 (渋滞) 10:00  
10:30   10:16 休憩(富士山ホテル 本八合目 3,360m
11:00 10:49 休憩(御来光館 八合五尺 3,450m
11:30   11:34 九合目
12:00 御殿場I.C下りる 12:25 登頂 山頂到着 3,720m
12:30 御殿場駅にて両親迎える 五合目からは別行動 12:30    
13:00 買い出し 翌日朝食のおにぎり等 13:00 昼食(ラーメン)
火口散策
ラーメン800円
13:30 昼食(うなぎ弁当)   13:39 下山開始 トイレ(1回200円)
14:00   14:00    
14:30     14:42 下山分岐
吉田口/須走口
15:00 富士スバルライン
入り口にてシャトルバス
に乗り換え
マイカー規制有り
2005年は災害復旧工事
もあり7月27日〜8月31日
15:00  
15:30 河口湖口五合目到着 15:30    
16:18 登山はじめ 五合目出発 2,305m 16:00    
16:30   16:30    
16:57 六合目通過 2,390m 17:00  
17:30     17:30    
17:56 花小屋通過 七合目通過 2,700m 17:54 五合目駐車場着 休憩 
18:25 山小屋 富士一館への
宿泊を決定
TEL 0555-24-6519
本日の宿泊所
標高2,800m
五合目から約500m UP
18:30 富士スバルライン
入り口駐車場へ
シャトルバスで移動
 
19:00 夕食(カレーライス)   19:00 自家用車でホテルへ
19:30     19:30 ホテル着 河口湖畔
みづのさと
20:00   20:00   登頂体験談を
しながら夕食
20:30 就寝 こんなにも早くに
寝られるものかと
心配しましたが、
ぐっすりと寝られました
20:30  
21:00 21:00  
21:30 21:30
22:00 22:00  
22:30 22:30  
23:00 23:00  
23:30 23:30 就寝  
24:00 24:00    

 

Let’s Go!

周辺の状況  
富士スバルライン 15:22 】

 毎年富士スバルラインではマイカー規制があります。今年2005年は7月27日午前0時から8月31日の24時までが規制期間でした。
 規制が始まると、マイカーは、誘導員によって最寄りの駐車場に導かれ、そこからシャトルバスに乗り換え、五合目まで向かうことになります。往復の料金がかかるので懐は痛みますが、五合目駐車場の満車を気にせずにすむというメリットもあります。

【車窓からみた風景】

 富士スバルラインは樹海を走ります。植生も徐々に変わっていくようです。五合目が近くなると、車窓からも富士山頂がみえるようになります。
 外にでると平地よりも14度程度低い気温になっています。

【五合目のバスセンター】

 この画面左側のちょっとさがったあたりに公衆便所や総合管理センターがあります。出発前には「無料」のトイレで用を足しておきましょう。これより上は大便/小便に関わらず、トイレ1回あたり100円(設備維持料として)が必要となります。
 総合管理センター(TEL 0555-72-1477)で、「亀歩き」を伝授いただきました。富士登山では、うさぎと亀では、亀の方が早い。うさぎさんはパッパと進むけれども、体への負担が大きく、休憩をとりがちになる。ところが、亀さん歩きでゆっくりと進むことで休憩の回数を減らすことができ、結局は着実に前進することができるため、早く頂上を目指せるとのこと。これはいいことを聞いた。実行するっきゃない。

【お馬さん】

 河口湖口(六合目からは富士吉田口と合流)の場合、五合目から七合目までは、お馬さんに乗って登ることができます。お馬さんに乗って、六合目までを往復するだけなら、服装や装備も気にしなくていいですね。六合目まで6,000円 七合目まで12,000円。

【登山道入り口 16:18 】

 五合目のバスロータリーを奥へ進むと登山道があります。ここから富士登山が始まります。
 「普段あいさつをしない人でも、山に入るとあいさつをするんだよ」と、子供に言って聞かせると、元気に「こんにちは!」を連発していました。知らない人から返事を返されるのが新鮮だったようです。

【登り道 16:32 】

 登山道入り口から泉が滝付近までは、延々と下りが続きます。えーっ、こんなに下がるのもったいなーい、と進むこと約15分、分岐があり、登りが始まります。右の登りへ進むと六合目、左の下りへ進むと佐藤小屋や星観荘、経ヶ岳へ行くことができます。
 当然今回は登りの右ルートを選びます。

【馬糞】

 お馬さんの置きみやげがこの馬糞です。あちらこちらに落ちていますので、注意して歩きましょう。

【六合目 16:57 】

 六合目の富士山安全指導センター(TEL 0555-24-6223)では、登山道の地図を配ってくれていました。

【物資輸送】

 山小屋への物資を運ぶブルドーザーです。これを使って、飲料や食料、燃料を運び上げているのです。
 山の上になるほど、食べ物の値段が上がるのは致し方のないこと。というよりもこういった方々のサポートがあって、はじめて安全に登山ができるのです。感謝。

10 【登頂ルート】

 上を見上げると、本八合目にある山小屋(富士山ホテル)が見えました。あの山小屋まで、ここから4時間45分もかかるなんて信じられない。
 長女曰く、「ほうきに乗って、ピューって飛んで行ければ楽なのになぁ。」

11 【登山道の砂利】

 七合目までの登山道は、踏み固められた砂状の部分は歩きやすいのですが、一部、親指大ほどの石っころがごろごろとあったりして、ちょっと一苦労する場面もあります。

12 【亀の歩みと、歩き休み】

 七合目が間近に迫るといきなり岩場になります。
 ここら辺から、長女がへたり始めたため、五合目の総合管理センターで教わった亀さん歩きをさらに推し進め、「歩き休み」を実行しました。
 「歩き休み」とは、私が長女の後ろで「右足だしてぇー」と声をかけ、1、2、3と数えます。また、「左足だしてぇー」と言って、1、2、3と数える。これを繰り返すことで、一歩進むことで消耗する体力を、次の一歩までに回復させ、ギブアップしかねない長女にやる気をださせる方法です。これを読んだだけでは、信じられないかもしれませんが、実際に登山していると、こうまでしないと足が前にでないのです。
 これを長女がへばるたびに実行し、体力が戻れば自由に歩いていいよ、というルールにしました。この結果、山小屋と山小屋の間での登山道では休憩はなくなり、各山小屋のベンチに座っての休憩も数分〜15分程度に収まり、着実に高度をかせぐことができました。(じっと止まっている間のバランスを保つため、トレッキングポール(ストックなどの杖類)がとても重宝しました)
 実際、後で本人に聞いたところ、歩き休みをはじめてからは、そんなにつらくはなかったし、なんとかなると思ったと言っていました。体力って歩いている最中にも回復させる時間を与えれば、いくらでも歩き続けられるもんなんですね。それにしてもよくがんばった。みんな偉いぞ。

13 【七合目 18:25 】

 七合目に入ってから、花小屋、日の出館七合目トモエ館鎌岩館を通過し、富士一館で宿泊することにしました。(18時25分)
 この日はこの上の鳥居荘、2個上の東洋館が満室とのお話。こういった満室情報を早い目に入手することも富士登山では重要なことだと思います。連休やお盆などの繁忙期を除けば、満室でも泊めてくれないことはありませんが、布団1枚を1人で占有できるかどうかが変わります。
 ※逆に言えば、連休やお盆などの繁忙期は予約なしでは泊まれないこともある、ということですから、こういった時期に山小屋を利用されるつもりの方は予約をお忘れなく。(写真は翌朝の布団干し時のものです)

14 【山小屋(富士一館)の寝室】

 2段ベッドになっており、布団が敷き詰められています。今回は布団に余裕があったので、1人で1セットの布団(2つの枕)を占有できました。
 値段はどこもほとんど同じで、税込 素泊まり 5,250円、1泊夕食付 6,300円、1泊2食付 7,350円のようです。(実際に泊まるときは要確認)

15 【山小屋(富士一館)の内部】

 山小屋には、飲料や食料、軍手など富士登山に必要な物資がひととおり揃っています。値段は前述のとおり、荷揚げに費用がかかっているので、それ相応の価格ですが、妥当なものだと思います。
 カレーライス1,200円 ラーメンやうどん600円 みそ汁やコーヒー400円など。

16 【登山杖への焼き印】

 登山杖に焼印してくれるお兄さんです。富士一館では、バイトの兄ちゃんが登山者から杖と料金を受け取り、中にいる方に杖を渡し、焼印専門の方が囲炉裏の炭火で真っ赤に焼けたコテを使って焼印を押していました。

17 【夕飯 19:07 】

 夕飯はもちろんカレーライスでした。富士一館のご飯が特においしかったので聞いてみると、経営者が千葉の木更津の人で、自宅でとれたお米を使って圧力鍋で炊いたとのことでした。
 他にもわらびや天ぷらなどを付けてくれました。お茶のおかわりまでサービスしてくれたので、水分補給もばっちり。
 夕食後、翌日の登頂にむけて、一家揃って、20時30分には就寝しました。

18 【ご来光 4:46 】

 翌朝、4時46分にご来光を拝むことができました。(表口登山道からは見えません) ご来光の目安は、
   5月〜6月が4時20分〜4時50分
   7月〜8月が4時30分〜5時10分 です。
 ※当日の御来光の時間は山小屋の方に必ず確認してください。

19 【登山2日目 7:05 】

 ぐっすりと眠ったのでしょう。6時には全員が自発的に起床し、朝食として持参したおにぎりを食べた後、7:05 に七合目の富士一館を出発。
 鳥居荘を通過後、七合目最上部の東洋館を 7:33 に通過しました。

20 【登山ルート】

 登山ルートは、下からみると全くの岩場に見えますが、上から見下ろすと、所々、踏み固められた地面っぽい部分もあります。

21  八合目の太子館 8:03、蓬莱館 8:15で小休止後、白雲荘までの登り道です。岩がごろごろしており、踏ん張り方によっては、ズルッとずり下がることもあって体力を消耗します。
22  白雲荘 9:01 からみた下方向の景色です。つづら折りに登山道が延びています。ずっと続くのでかなりつらかったです。
 抜きつ抜かれつ登っていたラグビー部の高校生が後輩に向かって、「やってらんねぇよ。お前ら、よーく考えてみろぉ。こんだけ苦労して登っても、またそんだけ下んなきゃなんねぇんだぞーっ。俺はよーっ、ひとこと言いたい。富士山は登るモンじゃなくって、眺めるもんじゃぁああっ!」  
 山梨県立K高校ラグビー部のみなさん、楽しませてもらいました。ありがとう \^o^/ 
23  山肌が赤茶けて見えるのは、富士山の石がこのような赤い色をしているためです。
24  また、山の天気は急激に変わるものですが、富士山も例外ではありません。急にガスに覆われることもあれば、雨になることもあります。雨具の用意は必須です。
25 【本八合目 10:14 】

 本八合目に位置する富士山ホテルの直前です。石の階段になっていますが、ところどころ段差が大きい部分や砂利に埋まっている部分があるなどします。踏ん張りながら登っていきます。
 富士山ホテル標高3,360mに位置しており、日本で第2位の北岳ですら 3,192mですから、ここはすでに日本一の高さになります。これを真っ先に山小屋の人から聞いた次男は、さも自分が知っていたかのように、私たちに話してくれました。
 山小屋の人曰く、 「おい、ぼうず。それは今、おじさんが教えてやったことだろ。」
 一方、別の人曰く、「そりゃぁ一度聞いたものは、もう自分の知識だよな。」とも。

26 【外人さん】

 富士山はインターナショナルな山です。日本人かと思って話しかけると、中国語や韓国語が返ってきたりします。もちろん欧米人もたくさん登ってきます。

27 【九合目 11:36 】

 鳥居の割れ目には、願掛けのお賽銭がいっぱい。でも高額のコインはありませんでした。  (^_^;
 ここまでくると入道雲の上部でさえ、眼下に見えます。

28 【うさぎと亀】

 重そうな荷物を背負った自衛隊の方々と、5度すれ違いました。こちらは亀の歩みを続けているので、ザッザッザと追い抜かれては、道ばたで休憩している彼らの横を追い抜いていくということを繰り返したのです。その度に「こんにちは」を繰り返したので、あいさつに疲れ気味…。
 彼らは、小柄な小学2年生の次男を見て、「こんなに小さな子も登るのかよ。」と、ややため息まじりで言う場面も…。 ヽ(^。^)丿

29 【頂上 12:24 】

 白い鳥居が見えます。頂上です。団体で先に到着している人たちが仲間が来るたびに、「そこからダッシュしろーっ!」 とか無茶なことを言っていました。中にはノリノリのヤツがいて、それに応えて本当に猛ダッシュ。高山病は大丈夫なのか心配してしまいました。
 私たちはこの後久須志神社にお参りして、頂上の朱印を押してもらい、昼食として800円のインスタントラーメンを食べました。インスタントのラーメンがでてきても高いと思わないから不思議です。
 山頂では、ドコモの800MHzとJフォンが使えるようでした。(auはつながらないようです)

30 【下山 13:55 】

 頂上の直前くらいから頭痛が始まっていたので、直径600mの火口は見るだけにして、お鉢巡り(1周約3km、所用時間1時間30分)はせず、すぐに下山を開始。 13:55
 下山時には、砂埃が舞い上がるので、マスクを着用しましたが、呼吸時の酸素不足につながったように思います。マスクをはずすと、ちょっとだけ頭痛がやわらぎました。

31  子供達はスイスイで下っていきます。登りがつらそうだった長女も、下山はなんの苦もなかったようです。
 それに比べ、パパとママはヘトヘトのドロドロ。下りでかかる自分の体重を支え切れません。あっというまにひざがガクガクになったため、一歩一歩が子供よりも小股となってしまい、あれよあれよという間に子供が視界から消えていきます。つづら折りを2つ3つ曲がると子供達が退屈そうに待っており、いっしょに出発するといった具合です。
 そんなことを何度となく繰り返していると、長男がすぐ後方からついてくるのがわかりました。「ハハァーン、こいつも結構バテているのかも。」と思っていると、「パパ、遅いねぇ。下りはこうやって大股で歩くんだよ。」と言いながら、ズザァー、ズザァーと砂をまき散らしながら力強く下って行き、またしても、あっという間に消えてしまいました。オイオイ、そんなことを言うために、ついて来ていたのかよ。
 家内には、「なんでこんなつらいことやらなきゃいけないの?」と泣き言を言われましたが、「ごめん。富士登山は下山がつらいことを忘れてた。」 と応えるハメに…。実際、喉元過ぎれば熱さを忘れる、といった感じで、富士登山という強烈な言葉が持つ良いイメージのために、下山のつらさをすっかり忘れていたのです。面目ない。
32 【吉田口と須走口の分岐 14:42 】

 下りで心配なのは、折り口を間違えないかという点です。吉田口の場合、途中で須走口への分岐があるので、子供が先行する場合には特に注意が必要です。

33 【五合目到着 17:54 】

 五合目の近くになると、これから登る方々と何度となくすれ違います。「こんにちは!」と声をかけながら、「これからこの人たちはしんどい思いをするんだ」 という思いが頭の中を駆けめぐり、気の毒に思ったり、物好きだなぁと思ったり。ましてや、雨でも降ろうものなら、どうなるんでしょう。そうでなくってもズタボロになったのに、想像の域を超えてしまいます。
 頭痛に襲われたパパとママは五合目までずっと頭痛のままでした。高山病は高度をさがれば治るといいますが、五合目程度では復帰しませんでした。
 この頭痛は、しゃがんだり、横たわろうとするとよけいに痛みが強くなり、吐き気までもよおしたため、仕方なく、休憩もせず、ひたすらに下り続けました。
 五合目に着いてから、頭痛薬(ナロンエース)を飲みましたが、薬の効果か気圧が高まったおかげなのかわかりませんが、シャトルバスに乗って、富士スバルラインの麓の駐車場に着く頃には痛みもさっぱりと消え、さわやかな気分にもどりました。
 ※警告 頭痛が高山病に起因するものの場合、鎮静剤を含む頭痛薬を服用したり、睡眠薬を服用すると呼吸が浅くなることから、頭痛を悪化させる恐れがあります。(詳しくは、日本旅行医学会 Acetazolamideアセタゾラミド(商品名 Diamoxダイアモックス) などの」キーワードで調べることをお勧めします。)

 ※ 鎮静剤(呼吸が浅くなるのでやばい) ≠ 鎮痛剤(痛みを和らげる) 字が似ていますが、作用が大きく異なります。

34 【おまけ】

 山頂(当日の気圧は647.4hPa)で飲み干した500ミリのペットボトルの蓋をギュッと閉め、家(当日の気圧 1007.1hPa)まで持ち帰ったものです。気圧の差でペットボトルがペチャンコにつぶれています。

35  平地に比べて山頂では、数値的には 64.3% の酸素分圧があることになっていますが、ペチャンコにつぶれたペットボトルを見ることで、こんなにも気圧に差があるもんなんだと、あらためて思い知らされました。
 空気(酸素分圧)がこんなにも低いなら、頭痛にもなるわな、こりゃ。
     

ここでの「こつ」

※1 【山小屋情報】
 山小屋の予約をしたり、山小屋が開設しているホームページをみて事前情報をゲットしておきましょう。ホームページの欄に
 1.○ 印がついている山小屋は独自にホームページを持っているところ
 2.△ 印はどこぞのページで紹介されているもの
 3.− 印の山小屋は紹介しているページをみつけられなかったところ です。

位置 山小屋名 ホームページ おおよその標高 収容人員 連絡先 (0555)
五合目 井上小屋 2,140 m 70 22-1948
佐藤小屋 2,335 m 100 23-1807
六合目 星観荘 2,239 m 100 24-6524
経ヶ岳   30 23-2000
雲海荘別館 2,400 m 100 72-1343
七合目 花小屋 2,700 m 200 24-6523
日の出館 2,720 m 200 24-6522
七合目トモエ館 2,800 m 300 24-6521
鎌岩館 2,790 m 200 24-6520
富士一館 2,800 m 200 24-6519
鳥居荘 2,950 m 300 24-6518
東洋館 3,000 m 500 24-6517
八合目 太子館 3,100 m 500 24-6516
蓬莱館 3,150 m 200 24-6515
白雲荘 3,200 m 400 24-6514
元祖室 3,250 m 300 24-6513
本八合目 富士山ホテル 3,360 m 500 24-6512
本八合目トモエ館 3,400 m 250 24-6511
八合五尺 御来光館 3,450 m 150 24-6510

 

※2 【高度情報&標準ラップタイム】
 富士山安全指導センターと富士吉田警察署が発行している標準ラップタイムを示します。単純合計では、6時間強となりますが、資料によっては5時間と書いているホームページもありました。我が家の実績では、これに休憩が入り、7時間25分となりました。ただし1泊2日でしたので、七合目で宿泊した分も休憩だとカウントするもう少し長くなりますし、亀歩きだったものの、山小屋のベンチ以外では一切休まなかったという驚きの事実を勘案すると、それなりの時間を見込むことをおすすめします。たくさんの方が登山道の脇にうずくまって休憩されていたり、中には寝ている方もおられました
 また、下山には4時間15分を要しました。

位置 高度 高度差 標準ラップタイム(休憩含まず) 休憩込みの我が家のラップタイム
五合目 2,305m - - -
六合目 2,390m 85m 六合目まで約45分 六合目まで39分
七合目 2,700m 310m 約60分 59分
八合目 3,020m 280m 約100分 87分(宿泊分の休憩含まず)
本八合目 3,360m 240m 約80分 133分
吉田口頂上 3,720m 360m 約80分 129分

※3 【スタート時間の検討】
 これまでにいろんなパターンで富士山を登りましたが、今回のように小学生以下の子供や高齢の方がおられる場合には、七合目〜八合目のあたりで1泊し、御来光は山小屋でみることを強くお勧めします。御来光にこだわって強行登山をすると、山歩きそものが嫌いになってしまうかもしれません。
 山小屋で一泊すると、山小屋の方の貴重なお話を聞かせていただけるかもしれませんしね。

  スケジュール
五合目出発時間帯 御来光をみる場所
1. ゆったり
★お勧め
1日目の午前から午後早い内に出発し、八合目に近い七合目もしくは、八合目あたりで一泊
2日目の早朝6時〜7時に出発し、昼頃に登頂
 ※一番無難かと思われます。ただし、お鉢巡りをすると下山が夜になるかもしれません。
宿泊する山小屋
2. ややゆったり 早朝から一気に登頂を目指す。
睡眠をきちんととれたなら、高山病を発症しにくく、項番3よりも体力的にはまし。
 ※登頂はできても、下山が夜になってしまう場合がある
こだわらない
3. ややハード 午後早い内に出発し、山小屋等で仮眠
夜に出発し、夜明けまでに登頂を目指す
 ※仮眠といってもなかなか寝付けないため、やはり高山病のリスクあり
 ※夜の登山道は山頂で御来光を拝む人の行列で、自分のペースでは歩けません。
山頂
4. ハード 午後に出発後、徹夜で登頂を目指す
 ※高山病にかかりやすくなるリスクあり
 ※夜の登山道は山頂で御来光を拝む人の行列で、自分のペースでは歩けません。
山頂

 

※4 【御来光時間の目安】
 これが結構くせ者。見る情報によって異なりました。たぶん高度によって時間が変わるためでしょう。詳細は、山
小屋の方に確認して、見逃すことのないようにしてください。下記はあくまでも目安とします。
   5月〜6月が4時20分〜4時50分
   7月〜8月が4時30分〜5時10分

※5 【服装】
 登りはじめや、登山時、下山時、休憩中というシーン別によって、大きく異なります。体が冷えている登りはじめは、比較的あたたかな格好をして、登っている最中には、どんどん脱いでいける服装がベストです。また休憩していると、体が冷えると共に、汗も冷えてくるので、着込める服がいいです。要するに、ゴワゴワの重いセーターが1枚あるよりは、軽くて重ね着できる服が何枚かある方が体温の調節がしやすいということです。
 また汗は適宜拭き取っていきたいものですが、登山中にいちいちリュックをおろして背中の汗を拭き取ることはできませんから、汗だくでびしょ濡れになったTシャツを宿泊時には山小屋で着替えられるように、Tシャツ1枚くらいの替えがあると重宝します。※寒くても登山をすると結構汗がでるものです。

  シーン
上半身 下半身
1. 登りはじめ 帽子、Tシャツ、長袖シャツ、首にタオル、軍手
適宜脱ぐもの フリース、ウィンドブレーカ)
伸縮性があるジャージは楽 ゆったりめの綿パンでもよい

(ぴっちりのジーンズは駄目。汗でジーンズが足にくっつき、体力を消耗する。着衣水泳のようなモノ)

※下山時にはスパッツがあると靴に砂利が入らず、快適に下れます

2. 登山時 帽子、Tシャツ、首にタオル、軍手
(適宜脱ぐもの 長袖シャツ、フリース、
ウィンドブレーカ
3. 下山時 帽子、Tシャツ、長袖シャツ、ウィンドブレーカ、首にタオル
(適宜脱ぐもの フリース)
4. 休憩中 帽子、Tシャツ、長袖シャツ、フリース、ウィンドブレーカ、首にタオルなど適宜着込み、体温の低下を防ぎたい。
富士山五合目総合管理センターの情報によると、頂上の気温は真夏でも2〜7度前後。
5. 山小屋での宿泊時 着替えのTシャツ、長袖シャツ、布団が顔に接触するところにタオル

※6 【持って行ってよかったおやつ】
 とにかくいろんなものを持って行きました。万一のための非常食の意味あいから、ある程度は各自のリュックに分散しましたが、基本的に重い荷物を運び上げるのは私…。つらかった。くれぐれもほどほどにしましょう。
 実際に持って上がったのは、下記リストの2倍くらいでしたが、不足した場合には、少々高くても山小屋で調達するくらいの量がお勧めです。値段はそれなりに高いですが、余計な苦労をする必要はないと思います。カップラーメンが 550円していたって、あったかくって、それなりの価値はあります。

  種別
品名 5人で消費した合計 お勧め
コメント
1. 飲料 アクエリアス 500ccを3本
(5本あっても良いくらい)
本当はもっと欲しいかったけれど、重かった。
一番ほしかったのは、麦茶よりもアクエリアス アクティブダイエット
濃すぎない薄めの甘さがばっちりでした。
2. 飲料 麦茶 500ccを2本
(山小屋で2本分をさらに補給)
3. 朝食用 朝食用の三角おにぎり コンビニサイズ10個 富士山近辺のコンビニで、
できるだけ賞味期限の長いものを調達
(東京方面〜中央道〜河口湖経由で行く場合、コンビニはないかも…)
4. 朝食用 梅干し 2個 タネを家で除いてからラップに包んで持参
5. おやつ シュークリーム 6個 たいへんおいしかったです。でも賞味期限が心配
6. おやつ ちくわ 4本 おいしかった。きゅうりとマヨネーズがあればもっとよかったかも。
7. おやつ おさかなソーセージ 太いものを2本 普段おさかなソーセージは食べませんが、それなりにおいしかった
8. おやつ チーズかまぼこ 1cm×10cmくらいのもの3本 おいしかった
9. おやつ 水ようかん 一口サイズを2個 待ち時間のお供として(ひまだったので)食べた
10. おやつ ミルクチョコレート 明治のでっかいの1枚 甘くっておいしかった
11. おやつ キャンデー 1袋 たくさん食べました
12. おやつ 小袋のミックスせんべい 小袋で6袋 ナッツも入っていて、子供は喜んでいたけれど、やっぱり水分がほしくなる…
13. おやつ ウィダーインゼリー 2個 カロリーを補給するというよりも、のどが渇いて飲んだ
14. おやつ カロリーメイト
(クッキータイプ)
2箱 食べたくて食べたわけじゃなく、単に荷物を減らしたかっただけ

※7 【緊急時の連絡先】

連絡先
   五合目の総合管理センター  0555-72-1477
   六合目の富士山安全指導センター      0555-24-6223
   吉田口七合目救護所   0555-24-6520
   吉田口八合目救護所  0555-24-6534

※8 【高山病対策】
 根本的には、下山することになりますが、実際問題、下山さえできないことも多く、そうたやすくはいきません。そこで次のような対策があることを覚えておきましょう。

1. まず、簡単にできることとしては、脈拍が乱れるような早足では歩かないこと。ゆっくり、ゆっくり歩くことを心がけます。心臓がドキドキしていたら、ペースが早すぎるというサインです。
2. 次に、酸素ボンベによる吸入です。これが結構有効だったりしました。
3.
登り下りの運動後は、すぐに休憩の体制に入らないことです。休憩に入ると心臓が心拍を抑えるため、脳への酸素が欠乏し、酸欠になってしまうため、まったくの逆効果なのです。
4. 大きく息を吸い込み、2秒ほど呼吸を止め、胸に圧力をかけます。要するに肺の中を下界と同じ気圧にしてやり、酸素の取り込みを容易にするわけです。これを5〜6回繰り返すといいそうです。
5. たくさん空気を吸うためにも、たくさんの空気をしっかりと吐きだします。
6. 食べ過ぎない。一度にたくさん食べすぎると、胃に血液が集中し、脳への酸素供給が不足する恐れがあります。

※9 【お勧めの本】

富士山に登るなら必携の地図です。登山専用の地図として用意しましょう。 富士山の謎を明かしてくれます。知識があれば憂い無し。 一般的な観光ガイド本もあると、登山のあとが充実します。

※10 【ライブカメラ】
 富士山の現在の気象や過去の推移を目でみることができます。

   1.インターネット自然研究所さんの富士北麓 から見た 富士山
   2.富士市役所のページさんの富士市ライブカメラ

※11 【参考になるホームページ】
   1.後悔しない富士登山
   2.あっぱれ富士登山
   3.富士急行さんの富士登山

 
 

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