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正月には家族みんなで「凧作り」

 毎年正月休みは、大阪の実家へ帰省し、年末年始を迎えるのが常でした。ところが今年2003年は、父(じぃちゃん)の古希の祝いを東北でやろうということになって、おせちも作らず、のどかな正月を迎えることが予想されました。「のどか」 といえば聞こえはいいですが、いつもなにかやっていないと気がすまないのが、私の実家の面々。じっとしているはずがありません。なにかイベントを考えねば、考えねばと。(ほとんど脅迫観念)

 そこで思いついたのが凧づくり。正月の遊びとして凧揚げはぴったりですし、凧つくりの時間もある。子供たちに対しても参加型のイベントにできるということで、すぐに日曜大工センターへ行き、割り竹(竹ひご)と障子紙、凧糸をそろました。さぁ、凧を作って飛ばしてみよう。


凧作りに使う材料と道具

割り竹 2mm×5mm×900mm 4本 障子紙(和紙) 530mm×765mm 1枚 凧糸 70m 木工用ボンド のり
はさみ ニッパー 定規 鉛筆や絵の具 古新聞

凧の図面


 

Let’s start!

作り方  
【障子紙の切り出し】

 まず準備として、部屋を汚さないためにも、作業場になる机や床に新聞紙を敷いておきます。
 障子紙(和紙)を図-1.の寸法(530mm×765mm)に切り出し、絵の具で絵を描きます。障子紙には表裏があるので、絵の具はツルツルした表面に描くようにします。

【割り竹切断】

 割り竹を図-2.の寸法(520mm×1本、750mm×1本、900mm×2本)に切ります

【折り返し】

 図-1.の赤線部の三辺に糸を挟み、折り返し部に挟む糸と、左右と下部の折り返し部(図-1.の灰色部)にのりをつけて、糸を包み込むように折り返し、接着します。

【骨の取り付け】

 骨に木工用ボンドを塗りつけてから、障子紙の上に図-2.の@ABCの順に重ね合わせ、はりつけます。なお、斜めになる割り竹は、上部の両端から2cm程度内側に取り付けます。骨の交差部分には、糸で縛って木工用ボンドをつけておくと丈夫になります。

【補強】

 図-2.の水色で示す箇所にのりをつけ、割り竹を包み込むように折り返して接着します。また、図-2.の下部三カ所に補強紙を貼り付けます。張り付ける補強紙の大きさはテキトーです。(^_^;)

【糸目糸の取り付け】

 800mmくらいの凧糸を3本用意して、図-2.の赤丸で示した三カ所に糸目糸をつけ、木工用ボンドをぬって、ほどけないようにします。(糸は、結び目と結び目間の有効寸法が600mmくらい必要になりますから、その寸法を残せるように結びます)

【糸目糸の中心】

 三カ所につけた糸目糸を、図-2.の糸目の中心で集めるように束ね、たこから300mmほどはなしたところで、その束を1つ結びつけます。写真で右手の指先でつまんでいる箇所が結わえる箇所になります。(左手の箇所は押さえつけているだけです)

【そり糸の取り付け】

 上部2カ所の糸目糸の外側にそり糸(たこを弓状にそらせる糸)をたるんだ状態になるように取り付け、木工用ボンドをぬって、ほどけないようにします。この後、完全に乾いてから弓状にそった曲がり(そり高)が80mm〜90mmになるように、割り竹に糸を巻き尽かせて調整します。

【うなりの取り付け】

 たこを上げたときに「ブーン」という音をだすしくみをうなりといいます。うなりをだしたい場合は、細長く切った障子紙をそり糸に取り付けます。

10 【完成】

 揚げ糸を糸目糸の先に結びつけ、しっぽを取り付けて、できあがりです。
 風が適度に吹いていた元旦に飛ばしたところ、非常に安定して飛びました凧があがるしくみも興味のあるところですね。

     

ここでの「こつ」

※1 【切ります
 
ニッパーなどで切ると簡単ですが、切り離した瞬間に飛散することがあるので、周囲に人がいないことを確認しましょう。

※2 折り返し部に挟む糸
 糸に木工用ボンドをつけるときには、まずテキトーに糸に木工用ボンドをぬりつけてから、指ではさんで、しごくように動かせば均一につけることができます。ちょっと指が汚れますが、こまめに手を洗えば凧を汚さずにすみますし、この方法だと確実に糸と障子紙を接着させることができ、丈夫になります。

※3 安定して飛びました
 ア.凧が回ってしまう
  ・凧のそり方が左右で均等になっているかどうかを確かめます。
  ・凧のしっぽの長さを長くします。

 イ.凧が這うようにしか飛ばない
  ・3本ある糸目糸の中央下部にある1本の長さを長くします。抗力が小さくなるため、凧が揚がりやすくなります。

 ウ.凧が傾く
  ・右(左)に傾くときには、見て左側(右側)にある上部糸目糸を短くします。
  ・右(左)に傾くときには、見て左側(右側)のしっぽを長くします。

※4 【凧があがるしくみ

 たこがあがるのはなぜでしょうか。

 風が吹いているから飛ばされている…。そうそれも立派な答えです。でも揚力とか抗力とか、そんな力が働いていると聞いて、こんなところにも航空力学があるんだなぁ、、などとトーゼンの自然法則をあらためて知りました。

 たこにかかる力には、右図のように、たこが風によって飛ばされる「抗力」と、たこの上面の空気の流れを上に押しやって、空気の流れを早くするために生じる「揚力」、そして図には記載していませんが、たこ自体の「重力」の計3つが作用しています。

 この3つの力が張力と釣り合う位置でたこは飛んでいるわけです。うーん、力学的でおもしろい!

参考文献
 PICASSO企画さんの 親子でつくる親子凧セット 「親凧の作り方」の つくり方のコツ

 


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