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白糸の滝のように伸びてくれぇー「手延そうめん」
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未完成のため、暫定公開版(β版)です。
・レシピの内容について、ゲストブックへのお問い合わせは受け付けておりません。
・またこの頁の記載内容は、今後変更する可能性があります。
携帯電話を買い替え、ワンセグを見ようとテレビ欄を見ていたら、ザ!鉄腕!DASH!! が目に入った。日曜日の19時という時間帯にテレビを見ることはまずなかったので、この番組とはこれまで縁が薄く、おもしろいものかどうかさえわからなかった。とりあえず、ワンセグ見たさで、録画予約しておいたら、なんと手延そうめんの特集をやっていた。ヤッホー!! レシピに片手落ちのあった分野でもあり、ワンセグの試聴にもぴったり。
ワンセグの小さな携帯画面を見て、これならできるかも! とWEBを「そうめん 工程」で検索して勉強したところ、当サイトを構築した頃には見られなかったノウハウが満載状態ではありませんか。うーん、しばらく浦島太郎状態で、サイトを更新してこなかったことがバレバレである。では久々にサイトを更新することにしましょうか。
そうめん(50g×6束分)の基本的な材料
そうめんと呼ぶための太さについて(JAS日本農林規格)
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そうめん |
ひやむぎ |
うどん |
手延べ麺 |
直径1.7mm未満
※手延そうめん/手延ひやむぎのどちらを表示してもいい
※手延したものについては太さだけでもないらしい (^_^;) |
直径1.7mm以上 |
機械製麺 |
直径1.3mm未満 |
1.3mm以上1.7mm未満 |
用意しておきたい器具
大鍋 |
伸ばし棒 |
包丁 |
まな板 |
直径7mmくらいで長さ55cmくらいの棒を2本 |
室箱(おも)と呼ばれる室を模した段ボール箱や木箱
(60cm×30cm×100cmくらい) |
Let’s start!
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作り方 |
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1 |
【なかだて = 水に塩を溶かす】
塩はあらかじめ分量の水に溶かしておきます。
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2 |
【こね = 小麦粉と塩水をこねる】
大きめのボールに中力粉を計り入れ、1で作った塩水をそそぎ、スプーンで切るようにまぜます。小麦粉と水が均一にまざると、ぼそぼその状態になります。ぼそぼその状態になったら、拳に体重をのせて押さえつけながら、小麦粉を塊にしていきます。こねる必要はありませんが、細かい小麦粉のかすを包み込みながら押さえていくと無駄がでません。 |
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3 |
【板切(いたぎ) = 円盤状にのばしてから帯状に切る】
ある程度小麦粉が塊になったら、ポリ袋に包み込み、新聞紙の上から足で踏みます。 |
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4 |
何回か踏んで塊が平べったく広がったら、たたみ込んでまた踏むというようにして、全体がしっとりとするまで(10分から15分の間)繰り返します。
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5 |
厚み約3cmの円盤状にのばします。 |
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6 |
幅約3cm程度になるように渦巻き状に麺帯をカットします。 |
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7 |
【油返し = 麺帯に油を塗る】
麺帯を次の工程以降で乾燥させないために、手のひらに食用油をぬり、麺帯にまんべんなく塗ります。塗り終わった麺帯は、端から順々に渦巻き状にまとめておきます。 |
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8 |
丹念に縄をなうように丸めつつ、麺帯を麺ひもにしていきます。急激に細くはせず、約3cmの麺ひもはまず2cmくらいにするに止めます。麺ひもは、端から順々に渦巻き状にまとめておきます。必要に応じて二段三段に重ねてもいいでしょう。 |
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9 |
【熟成させる その1】
渦巻き状にまとめた麺ひもを、湿らせて固く絞ったさらし布で覆い、30分を目安に熟成させます。 |
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10 |
【細目 = 麺を細める】
麺ひもを乾燥させないために、手のひらに食用油をぬりつつ、さらに細く1.2cmくらいまで麺ひもを細くしていきます。麺ひもは、端から順々に渦巻き状にまとめておきます。 |
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11 |
【熟成させる その2】
渦巻き状にまとめた麺ひもを、湿らせて固く絞ったさらし布で覆い、20分を目安にさらに熟成させます。 |
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【小より = ひねりを入れながら細くする】
「ほそめ」の工程よりも、さらに細く8mmの均一な太さになるまで麺ひもを細くしていきます。麺ひもは、端から順々に渦巻き状にまとめておきます。ここでは食用油はぬりません。
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【熟成させる その3】
渦巻き状にまとめた麺ひもを、湿らせて固く絞ったさらし布で覆い、20分を目安に熟成させます。
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14 |
【綾かけ = 2本の棒に8の字にかける】
麺ひもを15cmほど離した2本の棒に8の字にかけます。太い部分は幾分張り気味にしておき、細い部分は逆にたるませるようにしていくと、小引きするときに的確な引っ張りを与えることができます。
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15 |
【熟成させる その4】
室箱(おも)と呼ばれる室を模した段ボール箱や木箱、バスタブ、バスルームで、小鍋に沸騰させたお湯を張ったものを入れて湿気を補充しつつ、1時間ほどを目安に熟成させます。
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16 |
【小引き = 棒にかけた麺を30cmほどに伸ばす】
麺ひもを棒にかけたまま30cm〜50cmほどに伸ばします。
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17 |
【熟成させる その5】
室箱(おも)と呼ばれる室を模した段ボール箱や木箱、バスタブ、バスルームで、小鍋に沸騰させたお湯を張ったものを入れて湿気を補充しつつ、10時間前後を目安に熟成させます。
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18 |
麺ひもを棒にかけたまま麺の直径が1.7mm未満になるまで、100cm〜200cmほどに伸ばします。1.7mmにならないうちに、途中で切れるようなら、項番15から繰り返します。
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19 |
【門干し = 乾燥】
麺が手延そうめんの太さである、1.7mm未満になるまで十分に伸ばしたら、天日にさらして干します。数時間でポキポキと折れるくらいに乾燥できるはずです。
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20 |
【小割 = 19cm長さに切断する】
そうめんは標準の長さが6寸あまり(19cm)なので、19cm長さに切断します。
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21 |
【熟成】
通気性の良い箱(桐があればベストだけど紙箱で良い)に入れて、最後の熟成を行います。
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22 |
【食べる】
お湯を湧かして、太さによって30秒〜数分ゆで上げ、流水で冷やしてもみ洗いすればできあがり!!
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ここでの「こつ」
※1 【塩】
塩分は茹でた時に溶出するので塩控えめの方にも安心です。塩を麺に加えることで、ゆであがりにかかる時間を短縮でき、ゆでるときにうどんが湯に溶け出し、形が崩れるのを防ぐ効果があります。また、過度に熟成するのを防ぐこともできるのです。
※2 【中力粉】
中力粉がない場合は、強力粉と薄力小麦粉から作ったもので代用することもできます。強力粉2に対して薄力粉1の割合(340g:160g)で混ぜます。保存状態の良くない粉や、古い粉を使うとゆでるときに麺が切れてしまいます。できるだけ新しい粉を使うようにした方がよいでしょう。余った粉は、冷凍しておくことをお勧めします。
在外邦人の方向けに、小麦粉の種類についてこちらで詳しく説明しています。
※3 【15cmほど離した2本の棒】
この棒は掛巻機といい、直径7mmくらいで長さ55cmくらいの棒を2本用意します。
※4 【太い部分は幾分張り気味】
どうしても手作りだと、麺の太さにばらつきができてしまうものです。このばらつきを平均化させるために、太い部分は幾分張り気味にしておくことで、小引き以降の工程で伸ばすときにまず太い部分から引き伸ばされ、細い部分は後から伸ばされることになるため、細い部分がちぎれることを予防できます。
※5 【バスタブ、バスルーム】
湿気を維持するのが目的です。グルテンを良い状態に保つためにも、温度は上げません。
※6 【麺ひもを棒にかけたまま30cm〜50cmほどに伸ばし】
一度に伸ばそうとすると麺の中にできている伸びる成分であるグルテンというタンパク質に負担がかかり、引きちぎれてしまいます。ちぎれることを避けるために、伸ばし作業と熟成を繰り返しながら、除々にグルテンを伸ばしていくわけです。
※7 【最後の熟成を行います】
通常、そうめん作りは10月〜4月に仕込み、真夏まで熟成させることが多いようです。特に三輪素麺組合では、12月1日(昨今は需要に供給が追いつかず、実質11月10日に延長されている)より翌年の3月31日の期間に製造するものを三輪素麺と呼ぶことができると決められているようです。
冬にそうめんを仕込むのは、気温が低いことから熟成中にグルテンが腐らないようにということと、グルテンに「だれ」がでにくいことと、門干のための晴天の日が続くためだということです。
なお、そうめんの一番の食べ頃は、2〜3年ということですので、古物(ひねもの)と呼ばれる2回目の梅雨、ないしその翌年でもおいしく食べられると言うことですね。ただし、「虫がつかなきゃ、、」という条件付きでもありますが…。
参考文献
1.揖保乃糸ホームページ
さんのそうめんの里
2.あぐりチャンネル さんの手延べそうめん
3.(株)三輪そうめん山本ホームページ
さんの手延そうめんの豆知識
4.地域情報サイト「CityDO!」さんのCityDO! そうめん特集
5.桜井市さんの観光案内(三輪そうめん)