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とっても簡単「ゆでたまご」

 ゆでたまごを作るのには、お湯は鍋が空だきにならない量だけあれば十分です。というのも水の沸点は100度で、お湯が鍋にある限り鍋の中の温度は100度を越えることはないからです(もちろん鍋にお湯がなくなれば容易に100度を越えます)。このことを応用すれば、鍋にお湯がほんのちょっぴりでもあれば、ゆでたまごを作れることがわかります。今では、この作り方を知っている方も少なくないようですが、我が家でこの作り方を始めた20年前には、ちょっとした生活の知恵でした。では、簡単ゆでたまごの作り方をご紹介します。

【追記】
 卵の殻が剥きにくいということで困ったことは誰しもあるはず。殻が剥きにくくなるその要因は、新鮮な卵がもつ二酸化炭素にあります。卵をゆでる際、この二酸化炭素が急激に膨張し、卵の薄皮と殻に密着させてしまうため、殻が剥きにくくなるのです。ここでは、この二酸化炭素の逃げ場を作ってやることで、スルッと剥けるゆで卵の作り方をあわせて紹介します。


ゆでたまごの基本的な材料

水 50ml たまご 数個まで

 

Let’s start!

作り方  
 冒頭の説明のとおり、卵の内部に含まれる二酸化炭素の逃げ場をつくるため、卵のどっしりとした方(写真では右下部のマジックでマーキングした部分)に、細かいヒビを入れます。
 ていねいに「コツコツ」とヒビを入れるだけです。決して卵を割ってしまってはいけません。卵には薄皮がありますが、その薄皮にはキズを付けないよう、外側の殻だけにヒビを入れるわけです。
 マジックでマーキングした周辺にヒビが入ったのが見えますでしょうか。
 水を用意します※1。参考のために水を50mlと書きましたが、前述したとおり鍋が空だきにならなかれば、もっと水を減らすことができます。
 水は鍋のそこに「ちょろっと」しかありませんが、これで十分です。火は中火※2にして、ふたをして水が沸騰するまで待ちます
 水が沸騰してからのゆで時間によって、ゆでたまごの茹で加減を次のように作り分けることができます。
 水が沸騰してから、3分後に取り出し流水で急冷すると、中が半生状態のできあがりとなります。
 また、沸騰してから、5分後に火を止め蓋をしたまま3分間蒸らすと、固ゆでたまごのできあがりです。
 今回はマーキングしていない方の卵は、割れ目を入れた部分が、若干膨らんでおり、内圧が高まった様子がうかがえます。

 もし、ヒビを入れていなかったら、この卵は破裂していたかもしれません。つまり、最初にヒビを入れておくことで、卵の殻が剥けやすくなるだけでなく、破裂も防止することができるわけです。

 このままではヤケドしてしまうので、流水で冷やします。
 卵全体に均一にヒビを入れます。

 項番1のヒビと異なり、多少手荒にヒビを入れて大丈夫です。

10  まな板の上など、転がしやすいところで、手のひらを使って卵を転がします。

 卵がつぶれてしまわないよう、力の入れすぎに注意します。

11  卵全体にヒビが入った状態です。

 既に卵を転がしているときに、卵の殻がゆで卵から剥離していく感触を感じたかもしれません。

12  卵の殻を剥くと、ご覧のとおり。スルスルと剥けます。

 卵にヒビを入れるとゆで卵がきれいにむけるわけは欄外で詳しく説明します。

13  マーキングしていなかった方の卵は、殻を剥いた後も、右下部分が若干膨らんだままであることがわかります。
14  手に持っているのが黄身がトロトロの半生のゆでたまごで、スライスして皿に盛りつけてあるのが、固ゆでです。
     

ここでの「こつ」

※1 【水を用意します
 水はもっと減らすことができますが、あまり水を減らし過ぎると、たまごをゆでているのを忘れた場合に、鍋が空だき状態になってしまいます。空だきにしてしまうと鍋を傷めてしまったり、殻付きの炒り卵という失敗作を作りかねないので、この程度が適量のようです。

※2 【火は中火
 しっかりと横で監視できるなら、強火を使うことができます。ただ、水がほんのわずかしか入っていませんので、中火でもすぐに沸騰します。もし強火でコンロの前を離れるようなことがあると、丸焦げの卵になってしまいかねません万一、空だきになってしまったような場合は、決して水をつぎ足ししてはいけません。瞬時に水が蒸気になってしまい、その蒸気を浴びると、大やけどになってしまいかねません。やはり中火程度で、コンロから離れず、沸騰したら沸点を保つ程度の中火〜弱火にして、所要時間の加熱を行いましょう。

※3 【卵にヒビを入れるとゆで卵がきれいにむけるわけ
 ゆで卵の殻がスルッと剥けないのは、卵の鮮度が影響しているためです。
 新鮮な卵は水分と約55mgの二酸化炭素を含みますが、数日経過すると、これらが散逸します。新鮮な卵では、卵をゆでる際に多く含まれている二酸化炭素の圧力が急激に高まり、卵の薄皮を卵の殻に押しつけてしまいます。このため、卵の卵白と薄皮が殻に密着してしまうことからむきにくくなるのです。
 このレシピでは、この二酸化炭素の逃げ場として、卵のどっしりとした方(卵の「気室」という部分があります。)にヒビを入れています。このヒビを入れた部分は、項番12の写真のように、通常生たまごのものは空間となっており、ヒビをいれても卵が漏れ出すことはありません。

※ 参考文献など


ノウハウ 説明
卵のどっしりとした方(気室)にヒビを入れるノウハウ 2010年9月29日放送のNHKのためしてガッテンで紹介されていました
蒸気でゆでるノウハウ 1990年頃よりアムウェイの鍋の販促の説明で紹介されていました。
卵を転がして殻を剥離するノウハウ 2008年頃?の伊東家の食卓で紹介されていました
 
 

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