ビールのあてができたぞーっ「コンビーフ」 |
ノザキのコンビーフでおなじみのコンビーフです。ニューコンビーフというのもありますが、あちらは牛肉と馬肉でつくったものを指し、コンビーフといえば牛肉だけでつくったものをいいます。コンビーフの語源をひもとくと"corned(〈肉などに〉粒の塩をすり込んで保存した) beef(牛肉)" となり、塩漬け牛肉のことになります。
コンビーフを作るにあたってホームページを検索していると 「蒸煮」 という言葉に出会いました。蒸煮をつかっているのはほとんどが業者さんで、どうも 「高温高圧の下で蒸気を使って食材を煮る」 ということのようです。家庭で作るなら、圧力鍋に湯を張り、湯につからない工夫をして食材をおき、蒸せばよさそうです。蒸煮のように保存性を高めるための厳しい加熱条件 ※1が業者さんにはあるようですが、すぐに食べるような手作りの場合ですと単純に湯の中で煮ることの方が一般的かもしれません。
コンビーフの基本的な材料
牛もも肉のかたまり 500g | タマネギ | にんじん |
パセリ | セロリ | 他 香りのあるお好みの野菜 |
ピックル液(ソミュール液)の材料
砂糖 8g | 醤油 10cc | 塩 50g | 水 180cc |
※参考情報 ・砂糖を手作りするレシピはこちら ・醤油を手作りするレシピはこちら ・塩を手作りするレシピはこちら |
用意しておきたい器具
圧力鍋 | フォーク |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【準備】 牛もも肉をつけ込む「たれ」であるピックル液をつくります。ピックル液は、砂糖と醤油・塩・水を混ぜ合わせ、5分〜10分間火にかけて灰汁を取り、冷ましておきます |
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2 | 【味付け】 牛もも肉を流水で洗い、清潔なタオルかキッチンペーパーで水分をふき取った後、ポリ袋に入れ、1で準備したピックル液とタマネギやにんじん、セロリなど、好みの香辛料を加えます。 |
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3 | 【熟成】 ポリ袋に入った空気を抜きながらきっちりと輪ゴムで蓋をして、3日〜1週間、冷蔵庫で熟成させます。 |
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4 | 【塩抜き】 牛もも肉をボールに入れて流水にさらして1時間置くか、水に浸ける場合は3時間以上置いておき、塩抜きをします。 |
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5 | 【蒸煮】 塩抜きした牛もも肉の水分を切り、圧力鍋なら1時間蒸気で煮し ※2、普通の鍋なら3時間蒸します。蒸すのが困難な場合は、たっぷりの湯で煮てもよいようです。圧力鍋にしても普通の鍋にしても沸騰後は、ガス代を節約するために沸点を維持する程度に火を弱めます ※3。 |
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6 | 【ほぐす】 あら熱をとってから、フォークでほぐします。 |
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7 | 【できあがり】 コンビーフのできあがりです。 |
ここでのコツ
※1 【厳しい加熱条件】
中村学園大学図書館さん の食品加工学1994年(平成6年)第八回の試験問題によると、「コンビーフは塩漬け牛肉の缶詰で、加熱条件がきびしいため通常の煮た牛肉とは組織・風味が変化している。」とあります。
※2 【圧力鍋なら1時間蒸気で煮し】
食材が湯に直接浸からないようにするために、圧力鍋の中に小型のザルを伏せて置き、その上に蒸し器用の内蓋を置いて食材の台としました。
また水滴が食材の上に滴らないようにするために、別のザルで食材を覆い被せるように置き、全体をさらしで包みました。
※3 【火を弱めます】
鍋の中に湯がある限り、いくら強火で加熱しても弱火にしても鍋のなかの温度は一定です。威勢がいいのは強火ですがガス代の節約のためにも弱火にしましょう。湯がある限り温度が一定になっているのは、「簡単ゆでたまご」の原理と同じですね。
※4 【コンビーフのできあがり】
通常市販されているコンビーフは、このあとさらに牛脂を20%以上加え、よくなじませてから細かく攪拌し製品化されています。口当たりをよくするために牛脂は加えてもいいかもしれません。この場合は、トレーによくほぐしたコンビーフと細かくした牛脂をいれて混ぜ、内部が80度くらいになるまで加熱して除菌する必要があります。
参考文献
社団法人 中央畜産会さんのこだわり市場 http://jlia.lin.go.jp/ のコンビーフ http://kodawari.lin.go.jp/process/niku02.html
コンビーフ以外にも畜産物加工に関する加工の原理や、そろえたい道具・材料、畜産加工の専門用語、必要な法的手続きQ&Aなどが生産者向けとして豊富に紹介されています。