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効率的に熱を伝える「五徳」

 五徳に求められる条件とは?
  1.鍋、釜を支えること
  2.火炎の高温部である外炎を鍋、釜に当てるように、適度な距離を確保すること
  3.火炎が鍋釜に直接接触できるような構造であること

 五徳を手作りしようとすると、項番3の考慮をしていないと、火炎が鍋、釜に接触せずというか、届かないことがわかりました。あらためて市販品を確認すると、どうってことのないよーに、クリアしているんですよね〜っ。ハイ。

 どういうことかというと、ガソリン系のバーナーとか、ブタンガス系のバーナーは、比較的高速で吹き出しており、勢いのあるジェット形態ですが、アルコールのバーナーは、網を介すようなことは大の苦手としており、編み目が4〜5mmもあると、炎は内側にとどまる形になってしまうのです。


 

Let’s Go!

説明 画像
 ダイソーの台所用品コーナーにあった「ワイヤーネット用カゴ(円柱)」を加工します。
 底(裏側)には、ネットが付いています。ネットは、

  × バーナーの火炎が鍋底に接触するのを妨げます  が、
  ○ 鍋が多少ずれても安定して支えることができる   というメリットもあります。
 包装を取り除くと4層になっているのがわかります。

 今回使用する鍋としては、百円ショップの500mlマグ(最新のものは450mlマグと表示されています)を使いたいので、3層にすると深さとしてはぴったりです。また、冒頭で述べているように、火炎に当てるための離隔としても3層くらいが良さそうなことから、切り詰めることにしました。
 ちょうど指で挟んでいる部分を切り落とします。
 「ワイヤーネット用カゴ(円柱)」に使われているワイヤーは、太さがあるので、ペンチもちょっとしっかり目のものがないと切断できないかもしれません。
 切り口が飛び出てしまわないように注意して、リング状の根元に刃を当て、ガツンと切断します。
 ネットは、火炎が直接鍋、釜にあてられるように、輪っか状にワイヤーを切っていきます。
 今愛用している五徳の上部です。輪っか状に切ってあります。
 このままで、五徳としての利用はできますが、五徳にもちょっとした風防チックなものが付属している便利だったりします。特に、持ち手の部分だけは、火炎に当てないようにすれば、熱くならずにすみますし。

 天ぷらガードや、オイル受け皿、アルミ皿などが使えます。右写真はダイソーのオイル受皿 2枚入りです。
10  受け皿などだと、縁が盛り上がっていたりするので、まずここを平らにする必要があります。
11  ペンチで押さえて、だいたいの形を整えます。
12  あとは木槌で叩いたりして、平らします。

 製品として最初から付けられている凸凹は、平面の強度を確保する目的で付けられていますので、これはある程度残しておくことで、風防としての強度維持にもつながりますので、平らにするのはほどほどにしましょう。
13  カッターで長手方向に半分にカットします。切りキズを付ける程度で大丈夫です。
14  切りキズに沿って折り目を付け、折ったり戻したりを繰り返すと、アルミはキレイに切り離すことができます。
15  先ほど、木槌で叩いたことで、五徳に沿って丸めることができるはずです。
16  ネット側は、上部に3mmほどの隙間を意識的に開け、五徳に巻きます。 下側に数mmほど余りますので、折り返します。

 風防としては、残り半分のものが正式な風防になりますので、ここでは五徳の表面積の30%〜40%を目安に囲う程度を残し、折り返し余長として5mmほどを残し、ハサミで切り落とします。囲う範囲が広すぎると、多くの輻射熱をアルコールストーブが受けすぎ、熱暴走につながります。あくまでも、鍋、釜の取っ手の防御程度と考えて、少なめに巻くといいでしょう。
17  別ページで風防の作り方も紹介しています。ご覧ください。

 風防と、五徳です。
18  収納時は、百円ショップの500mlマグカップの中に風防、その中に五徳の順序で格納しています。
19  アルコールストーブ本体や、燃料ボトル、チャッカマン、ピンセットを格納することができます。
20  百円ショップダイソーの500mlマグカップ(写真左端)は、2014年に新型(写真右端)に置き換えられており、容量も450mmに表記上なっていますが、実質的なサイズの変更はなさそうです。(直径がやや大きくなり、ずんぐりむっくりになりました。(赤い革は、自作の革工芸です。商品には付いていませんのであしからず)
     

ここでの「こつ」

※1上部に3mmほどの隙間を意識的に開け
  ここで開けた隙間から、アルコールストーブの火炎が出てきて、鍋、釜の外周を加熱します。取っ手を想定する部分は、隙間を小さくしておくと使い勝手が高まります。

※2 【折り返し余長として5mmほどを残し、ハサミで切り落とします。
  開口部を大きくすることで、火力調整などの作業性が高まりますので、ワイヤー部も適宜切り落とします。



--------- 目次 ---------

1. アルコールストーブのタイプ バリエーション
2. 当サイトで製作するアルコールストーブをばっさり比較
2-1. 五徳は不要
2-2. 本燃焼までの早さ
2-3. 火力調整が可能
2-4. 燃費の良い内炎式
2-5. 炎の形が際立っている
2-6. 材料調達コスト
2-7. アルコールの回収性
2-8. 絵柄が倒立していない
2-9. 尖った部分がないこと
3. アルコールストーブの作り方
3-1. 第1世代 ベーシックモデル 
3-2. 第2世代 毛細管現象を活用した高火力モデル )TETKの徒然なるまま
3-3. 第3世代 オリジナル1 「製作コスト削減モデル」
3-4. 第4世代 オリジナル2 「火力調整モデル(お勧め)」
4. 五徳の作り方
5. 第4世代用 火力調整金具の作り方
6. アルコールストーブ四方山話
6-1. カッティングのカッターの刃の進行方向
6-2. 内側パーツ(中込パーツ、隔壁パーツ)
6-3. 風防の検討、輻射熱の検討
6-4. 鍋敷き
6-5. アルコールストーブ本体、コッヘル、風防のスタッキング
6-6. アルコール運搬用ボトル
6-7. 着火具
7. さぁ、アルコールストーブを使ってクッキングしよう!
7-1. お湯を沸かして、カップヌードルタイム、コーヒータイム
7-2. さぁ、おなかが減ったぞ 炊飯だ!


 
 

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