アルコールストーブ第3世代 の頁へ  最初の頁へ戻る  革工芸/レザークラフトの頁へ

ワォッなんて軽量、なんてクール「アルコールストーブ」

 学生時代の部活で団体装備として用意されていたのは、ガソリン系の「ホエーブス」略して「ブス」。個人的にはプレヒートの手間のない コールマンのピークワン(リンク先はコールマンの類似商品)を愛用していました。あれから早や30年。サイクリングに回帰した際に、アウトドアで使用できる燃焼器具の物色をはじめました。日常的に夕飯のお供として使っている卓上コンロは イワタニのカセットガスジュニアバーナーですので、燃料のバリエーションを広げる意味合いからガソリン系のOPTIMUS 123R SVEAを早々に入手し、いきなり大事なモノコーナーに殿堂入りさせました。これでいったん落ち着きを取り戻せたので、次からじっくりと見定めることができます。(笑)

 アルコールストーブに興味を持つ前に気になったのは、固形燃料だったのでキャプテンスタッグのpower macを購入。ところがこの製品はサイズが大きく、日帰りサイクリング程度に持ち出すには大層すぎて、また点火して使ってしまうのがもったいない。
 そこで代替品を用意し始めます。旅館の宴会では必ず目に入る卓上コンロ用固形燃料です。1個の燃料で18分程度の燃焼継続時間があります。単純に固形燃料を使うだけでは面白みが無いので、「煙突効果」を適用したストーブ構想を練り、実際に炊飯ができることまでは確認しましたが、大きな欠点がありました。

 宴会程度の低温の燃焼では問題は発生しないのですが、煙突効果で燃焼温度を高めた結果、燃えてはならない成分までもが燃えて揮発してしまい、刺激臭が立ちこめたのです。煙突効果による高火力は、この刺激臭から逃れることはできませんでした。そこで、燃料の見直しに迫られた結果、アルコール燃料へと舵を切ることになりました。
 固形燃料のメリットは固形であることの運搬性の高さでしたが、アルコール燃料を使う場合のメリットは、ストーブの作りがシンプルなことから、比較的小型、軽量というところでしょうか。



 


【市販アルコールストーブ】
  trangiaアルコールバーナーTRB25
 アルコールストーブの老舗の商品です。Amazonの商品説明では次のような紹介がされています。

「半世紀以上のロングセラーを誇るアルコールバーナーです。アルコールタンク2/3の注入量で約25分間燃焼します。風や低温に強く、着火も簡単です。 シンプルな構造ですが、アルコールバーナー自身が熱せられてくると驚くほどの火力を見せます。Trangiaは徹底した品質管理を行い、 1925年より合理的で収納性に優れるコッヘルと熱効率の高いアルコールバーナー燃焼システムを作り上げているスウェーデンのブランドです。」 


   EVERNEW チタンアルコールストーブEBY254

 trangiaアルコールバーナーTRB25と比較すると次のとおりです(×はtrangiaがいいな!、○はEVERNEWがいいな!
 × 2point 消火用の蓋はないので、充填したアルコールは使い切ることになる
 ○ 1point 中にメモリが付いており、燃料を充填する際の目安にできる
 ○ 5point 重量はトランギア(110g)の半分以下の34g。
 ×10point 蓋のずらし方で火力の調整が可能なトランギア

 個人的な評価として、trangia 12point、EVERNEW 6point ってとこでしょうか。。。火力調整にはこだわってほしい!


  Vargoトライアッドアルコールストーブ T-301

 外見もかっこいいし、重量28gと非常に軽い、風防とあわせて使うとGoodではないか!?とも思ったものの、使っている方の感想はそれほど芳しくはないようです。
 ×燃料は、毎回くぼみまで満タンにする必要がある
 ×本体がチタン製なことが裏目に出て、熱伝導が悪いため本燃焼させるまでの時間がかかる(ex. 2分とか…。) 



  EsbitアルコールバーナーESAB300BR0

 92g 真鍮製
 trangia同様に消火、火力調整が可能。
 ただし、製品毎にばらつきがあるようで、商品を購入した人の評価は、当たりを引いた人は高く、ハズレを引いた人は低い。そうなると商品は交換してくれることをうたっている販売者から買うことが、消費者がとれる唯一の防衛手段…。


RSR (ストーブ本体) 8,000円(税込8,640円)

 次項で研究しつくされた Capillary Hoop Stove が持つ性能を引き継いだモデルに見えます。手作りはちょっと難しいかなと思われる方はこちらはいかがでしょうか。
 




【ネットで公開されているCapillary Hoop Stove】

 まずはなんと言ってもアルコールストーブを手作りしてみようという動機にさせてもらったTETKさんのストーブです。

 TETKさんのサイトでは、日々アルコールストーブが進化を遂げており、常に目新しさがあります。アルコールストーブの泥沼に入るならココからがお勧めです。動画で確認したい場合はYou Tube のココに満載!


 TETKさんのCHS(Capillary Hoop Stove )にちょっと変更を加えたモデルです。缶の飲み口を利用されていることで気になりました。



【当サイトで紹介している手作りアルコールストーブ】


 当サイトの評価基準は次のとおりです。

 1.本燃焼までのタイムが20秒前後なら、優位な差はないものとみなす。
 2.強風にあおられて吹き飛ばないよう、20g前後の重量を目指す
 3.変形や、機能の低下につながるようなとんがった部分をなくす
 4.ジェットの形がきれいにだせる力を備えつつ、弱火になる機能性を持つこと


 第1世代 モデル

 ネット上にアップされている一番スタンダードなアルコールストーブの作り方を土台にして、第2世代、第3世代を作る中で蓄えたノウハウをフィードバックさせたモデルです。(内側の壁の作り方がオリジナルになっています)

 ○五徳を必要としない
 ○特殊なアルミ缶を必要としない

などのメリットがあります。
第1世代(ベーシック)


第2世代(毛細現象)
 第2世代 モデル

 ネット上に熱心な研究サイト(TETKの徒然なるまま)があり、1つの究極を目指したモデルと言えます。こだわりはアルミニウム缶の選択から始まり、加工技術も突出したものがありましたので、当サイトでも敬意を表して、訓練に訓練を重ねた上で写真のような見本モデルを作成しました。(この写真モデルで約70個目)

 ここで培った技術とこだわりのコツはもちろん当サイトで紹介していますので、ご覧あれ。


 第3世代 モデル

 第2世代モデルでこだわられていた部分のうち、本燃焼までの時間を3〜10秒単位でブラッシュアップしていたところと引き替え、強度UPとコストダウンを図りました。

 結果として、本燃焼までの時間は10秒ほど延伸し、20秒程度になりましたが、650円の制作コストは、250円程度に圧縮でき、それなりの目的は達成したとの認識です。
第3世代(コスト削減)


第4世代(お勧め)
 第4世代 モデル

 第3世代モデルからさらにデザイン的な変更も含め実施しました。このデザインの変更は見栄えの変更にとどまらず、燃焼時の火力調整機構のカイゼンにつながっています。

 それは「飲み口」をバーナー口として適用したことです。飲み口の形状は、なんとスタッキング(重ねること)が可能なのです。このスタッキングができるという特徴を利用し、手作りバーナーでは画期的なこととして、火力調整機構を手に入れたのです。

 ※と、オリジナルかと思いきや、TETKさんのサイトにもありました。。。


     


--------- 目次 ---------

1. アルコールストーブのタイプ バリエーション
2. 当サイトで製作するアルコールストーブをばっさり比較
2-1. 五徳は不要
2-2. 本燃焼までの早さ
2-3. 火力調整が可能
2-4. 燃費の良い内炎式
2-5. 炎の形が際立っている
2-6. 材料調達コスト
2-7. アルコールの回収性
2-8. 絵柄が倒立していない
2-9. 尖った部分がないこと
3. アルコールストーブの作り方
3-1. 第1世代 ベーシックモデル 
3-2. 第2世代 毛細管現象を活用した高火力モデルTETKの徒然なるまま
3-3. 第3世代 オリジナル1 「製作コスト削減モデル」
3-4. 第4世代 オリジナル2 「火力調整モデル(お勧め)」
4. 五徳の作り方
5. 第4世代用 火力調整金具の作り方
6. アルコールストーブ四方山話
6-1. カッティングのカッターの刃の進行方向
6-2. 内側パーツ(中込パーツ、隔壁パーツ)
6-3. 風防の検討、輻射熱の検討
6-4. 鍋敷き
6-5. アルコールストーブ本体、コッヘル、風防のスタッキング
6-6. アルコール運搬用ボトル
6-7. 着火具
7. さぁ、アルコールストーブを使ってクッキングしよう!
7-1. お湯を沸かして、カップヌードルタイム、コーヒータイム
7-2. さぁ、おなかが減ったぞ 炊飯だ!

 
 

アルコールストーブ第3世代 の頁へ  最初の頁へ戻る  革工芸/レザークラフトの頁へ